Email クラス

CodeIgniter の堅牢な Email クラスは、次のような機能に対応しています:

  • 複数プロトコル: メール、Sendmail、および SMTP
  • SMTPのための暗号化 TLS および SSL
  • 複数の受取人
  • CC と BCC
  • HTML または プレーンテキスト email
  • 添付
  • ワードラップ
  • 優先度
  • BCC バッチモード。これは、大きなメールリストを小さな BCC バッチに分割します。
  • Email デバッグツール

Email クラスを使う

Email の送信

メールの送信は単純なだけでなく、送信する直前にも設定ファイル でも、メール送信の設定ができます。

以下は、どうやってメールを送信できるかを示した基本的な例です。 .. note:: この例では、コントローラ でメールを送信すると仮定しています。

$this->load->library('email');

$this->email->from('your@example.com', 'Your Name');
$this->email->to('someone@example.com');
$this->email->cc('another@another-example.com');
$this->email->bcc('them@their-example.com');

$this->email->subject('Email Test');
$this->email->message('Testing the email class.');

$this->email->send();

Email のオプションを設定する

メールの送信方法をカスタマイズできる21の設定項目が 利用可能です。以下で述べるように手動で設定することも できますし、後述するように、設定ファイルに保管された 項目から自動設定することもできます:

設定項目は、email クラスの initialize メソッドに設定項目の配列を渡す ことでセットすることができます。以下は、設定項目をどのようにセット できるかの例です:

$config['protocol'] = 'sendmail';
$config['mailpath'] = '/usr/sbin/sendmail';
$config['charset'] = 'iso-8859-1';
$config['wordwrap'] = TRUE;

$this->email->initialize($config);

Note

ほとんどの設定項目には、設定しなかった場合に使われる 初期値があります。

設定ファイルでEmailの設定を行う

設定をするのに、上で述べた方法を使いたくない場合は、代わりに設定 ファイルにその設定を書いておくことができます。 email.php という 名前で新しいファイルをつくり、$config という配列をそのファイル に書くだけです。 そして、config/email.php にそのファイルを保存 すると、自動的にそれが使われます。 設定ファイルで設定した場合は、 $this->email->initialize() メソッドを使う必要は「ありません」。

Email クラスの設定項目

次のリストは、メールを送信する際にセットできる 設定項目の全リストです。

設定項目 初期値 選択肢 説明
useragent CodeIgniter なし ユーザエージェント
protocol mail mail, sendmail, または smtp メールを送信するプロトコル
mailpath /usr/sbin/sendmail なし Sendmail へのパス
smtp_host 初期値なし なし SMTP サーバのアドレス
smtp_user 初期値なし なし SMTP のユーザ名
smtp_pass 初期値なし なし SMTP のパスワード
smtp_port 25 なし SMTP のポート番号
smtp_timeout 5 なし SMTP のタイムアウト (秒単位)
smtp_keepalive FALSE TRUE または FALSE(boolean) 持続的SMTP接続の有効化
smtp_crypto 初期値なし tls または ssl SMTP暗号化
wordwrap TRUE TRUE または FALSE (boolean) ワードラップの有効化設定
wrapchars 76   何番目の文字で折り返すか
mailtype text text または html

メールのタイプ。HTML メールを送信すると、メールは完全な Web ページとして送信されます。このとき、相対リンクや画像への相対

パスがないか確かめてください。それらは動作しません。

charset $config['charset']   文字セット (utf-8、iso-8859-1、など)
validate FALSE TRUE または FALSE(boolean) メールアドレスを検証するかどうか
priority 3 1, 2, 3, 4, 5 メールの優先度。 1 = 最高 5 = 最低 3 = 通常
crlf \n “\r\n” or “\n” or “\r” CRLF (“\r\n” RFC 822に応じて使用).
newline \n “\r\n” or “\n” or “\r” 改行文字 (“\r\n” RFC 822に応じて使用).
bcc_batch_mode FALSE TRUE またはFALSE(boolean) BCC バッチモードを有効にするかどうか
bcc_batch_size 200 なし 各 BCC バッチで送るメール件数。
dsn FALSE TRUE または FALSE (boolean) サーバーからのメッセージ通知を有効にする

ワードラップ設定の上書き

ワードラップが有効になっている (RFC 822 に従うことを推奨します) 場合 、email に非常に長いリンクがあると折り返されてしまい、受信 した人がクリックできないようになります。 CodeIgniter では、次の ようにして、メッセージの一部で手動でワードラップ設定を上書きする ことができます:

通常通り折り返された メールのテキスト。

{unwrap}http://example.com/a_long_link_that_should_not_be_wrapped.html{/unwrap}

さらに通常通り折り返 されたテキスト.

折り返したくない項目を {unwrap} {/unwrap}で挟んでください。

クラスリファレンス

class CI_Email
from($from[, $name = ''[, $return_path = NULL]])
パラメータ string $from:
 “From” メールアドレス
パラメータ string $name:
 “From” 表示名
パラメータ string $return_path:
 未配達の電子メールをリダイレクトするオプションのメールアドレス
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチエーン)
返り値型:CI_Email

電子メール送信者の電子メールアドレスと氏名をセットします:

$this->email->from('you@example.com', 'あなたの名前');

送信したメールのリターンパスを決めることもできます。未配達のメールを転送するのを支援します。:

$this->email->from('you@example.com', 'あなたの名前', 'returned_emails@example.com');

Note

プロトコルとして「SMTP」を設定した場合、 リターンパスは使用できません。

reply_to($replyto[, $name = ''])
パラメータ string $replyto:
 返信の電子メール・アドレス
パラメータ string $name:
 返信の電子メールアドレス名を示します
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

返信先アドレスをセットします。指定しない場合は、”from” メソッド で指定されたものが使われます。例:

$this->email->reply_to(‘you@example.com’, ‘あなたの名前’);
to($to)
パラメータ mixed $to:
 メールアドレス カンマで区切られた列または配列
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

受取人のメールアドレスをセットします(複数可)。次のように、単一のメールアドレス、 カンマ区切りのリスト、あるいは配列で指定可能です:

$this->email->to(‘someone@example.com’);
$this->email->to('one@example.com, two@example.com, three@example.com');
$this->email->to(
        array('one@example.com', 'two@example.com', 'three@example.com')
);
cc($cc)
パラメータ mixed $cc:
 メールアドレス カンマで区切られた列または配列
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

CC のメールアドレスをセットします(複数可)。 “to” メソッドのように、単一のメールアドレス、 カンマ区切りのリスト、あるいは配列で指定可能です。

bcc($bcc[, $limit = ''])
パラメータ mixed $bcc:
 メールアドレス カンマで区切られた列または配列
パラメータ int $limit:
 バッチ送信する電子メールの最大数
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

BCC のメールアドレスをセットします(複数可)。”to” メソッドのように、単一のメールアドレス、 ンマ区切りのリスト、あるいは配列で指定可能です。

「$LIMIT」が設定されている場合は、「バッチモード」は、各バッチ が指定された「$LIMIT」を超えないと、バッチに電子メールを送信します、 これが有効になります。

subject($subject)
パラメータ string $subject:
 電子メールの件名
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

電子メールの件名をセットします:

$this->email->subject('This is my subject');
message($body)
パラメータ string $body:
 電子メール本文
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

電子メールの本文をセットします:

$this->email->message('This is my message');
set_alt_message($str)
パラメータ string $str:
 代替のメール本文:
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

代替のメール本文をセットします:

$this->email->set_alt_message('This is the alternative message');

これは、HTML形式にフォーマットされた電子メールを送信する場合に使用 できるオプションのメッセージ文字列です。あなたがHTML形式のメールを 対応していない人々の為、ヘッダ文字列に追加されていないHTMLフォーマ ットで代替メッセージを指定することができます。あなた自身のメッセー ジを設定しないとCodeIgniterはHTMLメールからメッセージを抽出しタグを 削除します。

set_header($header, $value)
パラメータ string $header:
 ヘッダ名
パラメータ string $value:
 ヘッダ内容
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

電子メールの追加のヘッダーを付加:

$this->email->set_header('Header1', 'Value1');
$this->email->set_header('Header2', 'Value2');
clear([$clear_attachments = FALSE])
パラメータ bool $clear_attachments:
 添付ファイルをクリアするかどうか
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

メールの設定を空状態にします。 このメソッドは、ループの 各サイクルでデータをリセットしながらメール送信機能を使う 場合を意図しています。

foreach ($list as $name => $address)
{
        $this->email->clear();

        $this->email->to($address);
        $this->email->from('your@example.com');
        $this->email->subject('あなたの情報 '.$name);
        $this->email->message('こんにちは  '.$name.'さん ご要望の情報です。');
        $this->email->send();
}

次のように引数に TRUE をセットした場合は、すべての添付も 解除されます:

$this->email->clear(TRUE);
send([$auto_clear = TRUE])
パラメータ bool $auto_clear:
 自動的にメッセージデータをクリアするかどうか
返り値:成功時TRUE、失敗した場合FALSE
返り値型:bool

メール送信メソッド。 条件判断が利用できるよう、送信が成功したか失敗したかに 基づいてブール値の TRUE か FALSE が返ります:

if ( ! $this->email->send())
{
        // エラーを生成します
}

要求が成功した場合、このメソッドは自動的にすべてのパラメータをクリアします。 この動作を停止するにはFALSEを渡します:

if ($this->email->send(FALSE))
{
        // パラメータはクリアされません
}

Note

「print_debugger」を使用するためには、電子メールのパラメータ をクリアしないようにする必要があります。

attach($filename[, $disposition = ''[, $newname = NULL[, $mime = '']]])
パラメータ string $filename:
 ファイル名
パラメータ string $disposition:
 添付ファイルを「配置」します。ほとんどの電子メールクライアント にかかわらず、ここで使用されるMIME仕様の独自の判断を下します。 https://www.iana.org/assignments/cont-disp/cont-disp.xhtml
パラメータ string $newname:
 電子メールで使用するカスタムファイル名
パラメータ string $mime:
 MIMEタイプを使用する (バッファリングされたデータに利用)
返り値:CI_Email インスタンス (メソッドチェイン)
返り値型:CI_Email

添付ファイルを送信できます。第1引数にファイルのパスとファイル名を指定してください。 複数ファイルを添付する場合は、複数回メソッドを呼んでください。例えば以下のように します:

$this->email->attach('/path/to/photo1.jpg');
$this->email->attach('/path/to/photo2.jpg');
$this->email->attach('/path/to/photo3.jpg');

デフォルトの設定(添付ファイル)を使用します。それ以外の場合はカスタム配置を使用し、 二番目のパラメータを空白のままにします:

$this->email->attach('image.jpg', 'inline');

また、URLを使用することができます:

$this->email->attach('http://example.com/filename.pdf');

カスタムファイル名を使用したい場合は、第三のパラメータを使用することができます:

$this->email->attach('filename.pdf', 'attachment', 'report.pdf');

本当の物理的なファイルの代わりに、バッファ文字列を使用する必要がある場合、 バッファとしての最初のパラメータ、ファイル名としての第3のパラメータとMIME タイプとしての第4のパラメータを使うことができます:

$this->email->attach($buffer, 'attachment', 'report.pdf', 'application/pdf');
attachment_cid($filename)
パラメータ string $filename:
 既存の添付ファイル名
返り値:添付ファイルのContent-ID、見つからない場合はFALSE
返り値型:string

添付ファイルのセットとContent-IDを返し、添付ファイルをHTMLにインライン(写真)埋め込むため有効にします。 最初のパラメータは、すでに添付されたファイル名でなければなりません。

$filename = '/img/photo1.jpg';
$this->email->attach($filename);
foreach ($list as $address)
{
        $this->email->to($address);
        $cid = $this->email->attachment_cid($filename);
        $this->email->message('<img src='cid:". $cid ."' alt="photo1" />');
        $this->email->send();
}

Note

一意にするため、それぞれ電子メール用のContent-IDは、再作成する必要があります。

print_debugger([$include = array('headers', 'subject', 'body')])
パラメータ array $include:
 メッセージのどの部分を印刷するか
返り値:フォーマットされたデバッグデータ
返り値型:string

すべてのサーバメッセージ、メールヘッダ、メールメッセージを文字列として返します。 デバッグに役立ちます。

オプションで、メッセージの一部を印刷するかを指定することができます。 有効なオプションは以下のとおりです。「ヘッダ」「件名」「本文」

例:

// クリアされないように電子メールデータのための順序で送信しているときには、
// FALSEを渡す必要があります。その場合、print_debugger()の出力には何も
// ないでしょう。
$this->email->send(FALSE);

// 唯一のメッセージの件名と本文を除く、電子メールのヘッダを出力します
$this->email->print_debugger(array('headers'));

Note

デフォルトでは、すべての生データが印刷されます。